ヒューマリン/ヒューマログ 製品Q&A

添付文書、インタビューフォーム等については、「製品情報」よりご確認ください。
注入器の操作や取り扱いについては「注入器の操作や取り扱いに困ったら」よりご確認ください。

A. インスリンの吸着率を正確に予測することはできません。

インスリン残存率は、輸液セット(ライン)や輸液に使用するシリンジなどの器材、輸液の種類、インスリン濃度、点滴速度などの条件によって異なることが報告されています1)-6)
したがいまして、点滴中は患者さんの血糖値を測定しながらインスリン量を調節して下さい。

※静脈注射が可能なインスリン製剤は、弊社製品では「ヒューマリンR注」のみとなりますのでご注意ください。詳しくは、ヒューマリン/ヒューマログ製剤の添付文書をご確認ください。


1) 木村 美智男 ほか. 医療薬学 2002; 28(2): 108-115
2) 木村 美智男 ほか. 医療薬学 2002; 28(2): 230-236
3) 山之内 恒昭 ほか. 医療薬学 2002; 27(6): 583-588
4) 菅谷 量俊 ほか. Pharm Tech Japan 1993; 9(7): 825-830
5) 丹下 マリ子 ほか. 医薬ジャーナル 1995; 31(1): 392-397
6) 齋藤 栄治 ほか. 静脈・経腸栄養 1999; 14(1): 264-267

最終更新日:2015/11/20

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A. インスリンを生食で希釈して、インスリン力価を検討した報告があります。
なお、報告によると、吸着率は容器の材質により異なります。詳細は以下をご参照ください。

  • ポリ塩化ビニル(PVC)製バッグ1)

  • ポリ塩化ビニル(PVC)製バッグにインスリン1単位/mLを添加した場合のインスリン残存率は、50mLバッグでは1時間で90%、4時間で78%となっており、250mLバッグでは1時間で95%、4時間で91%、8時間及び24時間で約83%となっています。(※50mLバッグは4時間、250mLバッグは24時間までの試験です。それ以上長期のデータはございません。)

  • ポリプロピレン(PP)製バッグ2)

  • ポリプロピレン(PP)製の500mLバッグにインスリン20単位を添加した場合のインスリン残存率は、混合から1~5分の間に50~60%に低下し、30~60分で60~80%に回復しています。

  • エチレン酢酸ビニル(エチレンビニルアセテート)共重合体(EVA)製バッグ3)

  • エチレン酢酸ビニル(エチレンビニルアセテート)共重合体(EVA)製の2000mLバッグにおけるインスリン残存率は、インスリン0.05単位/mLを添加した試験では91%、インスリン0.02単位/mLを添加した試験では64%となっています。

  • ポリオレフィン(polyolefin)の容器4)

  • 生食で希釈(0.1単位/mL)して、ポリオレフィン(polyolefin)の容器に保管したところ、24時間後残存率が65%となっており、35%が吸着したとされています。

    ※静脈注射が可能なインスリン製剤は、弊社製品では「ヒューマリンR注」のみとなりますのでご注意ください。詳しくは、ヒューマリン/ヒューマログ製剤の添付文書をご確認ください。


1) Paul E Nolan, et al. Am J Health Syst Pharm. 1997; 54(11): 1304-1306.
2) 丹下 マリ子ほか.医療ジャーナル 1995; 31(1): 392-397.
3) 村岡 勲ほか.医薬ジャーナル 1996; 32(10): 2529-2543.
4) Lawrence A. Trissel, et al. Am J Health Syst Pharm. 2006; 63: 2379-2382.
http://dx.doi.org/10.2146/ajhp060191

最終更新日:2015/11/20

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A. 開始時の1日のインスリン投与量の目安は、体重1kgあたり0.2~0.3単位(8~12単位)とし、所要量は体重1kgあたり0.4~0.5単位(20~30単位)まで増量することが多いとされています1)

別の方法として、まず、低血糖が起こらないと考えられる少量で開始する方法もあります。
具体的な例として、超速効型インスリンの3回注射から開始する場合、各食事直前3~4単位から開始し、食後あるいは次の食前の血糖値をモニターしながら、単位数を1~2単位の割合で増量するとされています2)


1) 日本糖尿病学会.糖尿病治療ガイド2014-2015 2014: 54-66.

2) 綿田 裕孝.ヴィジュアル 糖尿病診療のすべて 最新インスリン療法 2011: 51-59

最終更新日:2015/11/20

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A. 皮下脂肪の厚さと使用する注射針の長さに合わせて、軽くつまんで、又は、つままずに皮下注射してください。
ペン型注入器をご使用の場合、注射の前後で血がカートリッジに逆流(逆血)することがありますので強くつままないで下さい。

注射針の長い針(6 mm, 8 mmなど)を使用すると、痩せ型の人では、筋層まで達することがありますので、皮膚を軽くつまんで注射してください1-2)。また、皮膚をつまむ際に、5本の指を用いて強くつまむと、皮下組織だけでなく、筋肉を持ち上げてしまうが、2~3本の指(親指と人差し指、必要に応じて中指)で軽くつまむことでそのリスクは少なくなるとされています3)

また、小児における注射部位の皮膚および皮下厚を検討した報告では、「不用意な筋肉注射を最小限とするため、可能であれば短い針を用いることが適切であると考えられる。現在のところ、すべての小児に最も安全な針は4mmペン針であると思われるが、2~6歳の小児では、皮膚をつまみ上げて用いるべきである」とされています4)


1) 綿田 裕孝 編. ヴィジュアル 糖尿病診療のすべて 最新インスリン療法 2011: 34-41

2) 虎石 顕一ほか.PROGRESS IN MEDICINE 2004; 24(1): 167-170.

3) 日本糖尿病学会.糖尿病専門医研修ガイドブック改訂第6版 2014: 234-237.

4) Lo Presti D.PEDIATRIC DIABETES 2012; 13(7): 525-533.

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A. 注射部位は、消毒されることをお勧めしており、衣類の上からの注射はお勧めしておりません。

服の上から注射をすることについていくつか文献がございますが、衛生上、弊社取扱説明書及び日本糖尿病協会発行の「糖尿病治療のてびき」には、注射部位の消毒はするように書かれており1)、ADA(米国糖尿病協会)でも注射部位は清潔にするべきであるとしています2)


1) 鬼原 彰ほか.糖尿病治療のてびき(改訂新版) 2000: 40-44.

2) AMERICAN DIABETES ASSOCIATION.diabetes Care. 2003; 26(Suppl 1): S121-S124.

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薬効薬理、薬物動態

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A. 一般的にインスリンの皮下からの吸収速度は、腹壁が最も速く、上腕外側部、臀部、大腿外側部の順に遅くなるとされています。

インスリンの注射部位は、皮下脂肪が最も多い部位である腹壁、大腿外側部、上腕外側部、臀部が適するとされています。また、インスリンの吸収は、運動やマッサージ、入浴などによる皮膚温の変化でも速くなるため、運動の影響を受けにくく、温度変化の影響を受けにくい腹壁が適している、とされています。インスリンの吸収は部位により異なるため、同一部位で場所を変えて皮下注射することが勧められます1)

<吸収速度を比較した報告>

  • ヒトインスリンでの報告2)
  • ヒトインスリンで比較した報告があります。
    この報告では血清インスリン濃度のピーク時間が、腹部、臀部、上腕、大腿の順に、1.5時間、1.6時間、1.7時間、3.0時間となっています。

  • インスリンリスプロ(ヒューマログ)とレギュラーヒトインスリンの比較報告3)
  • インスリンリスプロとレギュラーヒトインスリンで腹部、上腕部、大腿部の皮下注射部位からの吸収を比較した報告があります(グルコースクランプ法を用いて実施)。
    注射部位からの吸収はレギュラーインスリンと同様、インスリンリスプロでも腹部に投与した場合に、最もグルコースの注入速度が速く、作用持続時間も他の注射部位に比べて短くなっていますが、投与部位による吸収速度の差はインスリンリスプロの方が小さかったとされています。


1) 日本糖尿病学会.糖尿病専門医研修ガイドブック改訂第5版 2012: 150-152.

2) J A Galloway, et al. Diabetes Care. 1981; 4(3): 366-376.
http://dx.doi.org/10.2337/diacare.4.3.366

3) Edith W Ter Braak, et al. Diabetes Care. 1996; 19(12): 1437-1440.
http://dx.doi.org/10.2337/diacare.19.12.1437

【使用上の注意】
9.適用上の注意
投与部位
皮下注射は、腹部、大腿部、上腕部、臀部等に行う。投与部位により吸収速度が異なり、その結果作用発現時間が異なるので部位を決め、その中で注射場所を毎回変えること。前回の注射場所より2~3cm離して注射すること。

最終更新日:2015/11/20

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A. 重篤な腎機能障害患者に対するインスリンの投与は、低血糖を起こしやすいため、慎重投与となっています1)。重篤な腎機能障害のある患者では、用量の設定を慎重に行ってください。

軽度の腎機能障害(GFR>40mL/min)では、腎臓のインスリンクリアランスに変化を認めませんが、GFRが15~20mL/min以下になるとインスリンクリアランスが低下、インスリンの血中半減期は延長することが知られています2)

ただし、具体的にどのくらい作用時間が延長するかなどは、患者さんにより異なるため、血糖値を測定しながら適宜調整が必要ですのでご注意ください。

<参考>

透析患者におけるインスリン療法については、日本透析医学会の「血液透析患者の糖尿病治療ガイド2012」にもまとめられています3)


1) ヒューマリン/ヒューマログ添付文書 使用上の注意 1.慎重投与(2)1)
https://www.lilly.co.jp/lillyanswers/products/default.aspx

2 ) 石川 和夫ほか.臨床透析 1987; 3(1): 23-26.

3 ) 日本透析医学会.日本透析医学会雑誌 2013; 46(3): 311-357.

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A. 食事がとれない場合でもインスリン注射を継続することが原則です。

シックデイ(発熱や下痢、嘔吐のために食欲不振となり、食事が摂取できない状態)の時は、血中のインスリン拮抗ホルモンが通常よりも増加しており、インスリンの需要は通常よりも高まった状態にあります。そのため、インスリンの注射は原則的に中止しないとされています1)

強化インスリン療法において中間型や持続型のインスリンは基本的には通常量を継続し、速効型や超速効型インスリンは炭水化物量に応じて調節することとされています2)
また、他の文献では、血糖自己測定を1日4回以上行い、通常のインスリン量の調節ならびに必要に応じてインスリンを追加投与する必要があるとされています3)


1) 綿田 裕孝 編. ヴィジュアル 糖尿病診療のすべて 最新インスリン療法 2011: 78-82

2) 太田 明雄ほか,糖尿病診療マスター 2011; 9(6): 619-623.

3) 小林 正.インスリン療法マニュアル 第4版 2008: 106-109.

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A. ヒューマリン、ヒューマログとも、妊婦は禁忌ではありませんので使用することができますが、慎重投与です。ご使用にあたっては、各製品の最新の添付文書をご確認ください。


日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドラインによれば、「食事療法で目標血糖値が達成できない場合はインスリン療法とする。経口血糖降下薬は妊婦には推奨できないので、原則としてインスリン療法に変更する」とされています1)

<参考1>添付文書の記載

  • ヒューマリン製剤
  • 妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるように指導すること。妊娠中、周産期、授乳期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。

  • ヒューマログ・ヒューマログミックス製剤
  • 妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるように指導すること。妊娠中、周産期、授乳期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。本剤のヒト母乳移行は不明であるが、ヒトインスリンは、ヒト母乳に移行する。

<参考2>FDA(米国食品医薬品局)の分類

妊娠カテゴリーはヒューマリン、ヒューマログともにBです。


1) 日本糖尿病学会.科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013 2013: 217- 232,.

【使用上の注意】
1.慎重投与(抜粋)
(1)インスリン需要の変動が激しい患者
2)妊婦[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

最終更新日:2015/11/20

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A. 一般にヒトインスリンは母乳中に移行します1,2)
しかしながら、インスリンは経口では吸収されないため、母乳での育児は可能です3)


1) ヒューマログ添付文書 使用上の注意 6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
https://www.lilly.co.jp/lillyanswers/products/default.aspx

2) Lois Jovanovic-Peterson, et al. J Am Coll Nutr. 1989; 8(2): 125-131.
http://dx.doi.org/10.1080/07315724.1989.10720287

3) 浜田 悌三.糖尿病妊婦治療のてびき第2版(医歯薬出版) 1996: 86-88.

最終更新日:2015/11/20

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