リリーのポリシー

デイブ・リックスCEOが2019年を振り返る

2020年3月20日配信

投資家の皆様へ

2019年はイーライリリー・アンド・カンパニーにとって好調な年であったことをご報告できることを嬉しく思います。弊社は、堅調な財務成績を達成し、重要な新薬を開発・上市し、弊社の生産性に関わる行動計画を前進させることができました。リリーにとって最も意義深い評価指標は、弊社の医薬品がどれだけの患者さんにお役に立てているのかですが、その数は過去1年間だけで合計4,000万人を超えました。

この数字は注目に値すると考えますが、しかし、革新的医薬品による治療を受けられるかどうかは、世界各地によって大きく異なります。米国では、費用負担を減らす保険給付の仕組みの複雑さや制限によって、最新治療へのアクセスの広がりが抑制され得る状況です。他の先進諸国では、政府が運営する医療プログラムの債務に対し支援するため、新しい医薬品を支給することもあります。そして、発展途上国では、医療体制も未だ発展途上のため、限られた資源を急性疾患治療および慢性疾患治療に対しどのように配分するか、苦労しています。

これらの問題は複雑ですが、弊社はこれまでも困難な課題を解決してきました。144年間という長きにわたって事業を営み、研究開発に年間50億ドル以上を投資してきました。私たちは、適応すること、進化すること、改善することの重要性を理解しながら、弊社の中核をなす「誠実さ」、「卓越性の追求」、そして「人の尊重」という3つのOUR VALUE(価値観)にしっかりと根ざしています。これらを弊社の指針として、今後も引き続き、収入レベルや地理的状況に関係なく、患者さんが最新の治療法による治療をきちんと受けられるようにすることを目標とし、さまざまな医療システムの中で、また、その医療システムの枠を超えて、効果的に貢献できる方法を探って行きます。

私たちはこれまで進歩を遂げてきましたが、まだやらなければならないことがたくさんあることも自覚しています。新たなる10年間への移行に向けて、弊社の新薬開発と事業の成功は、持続的な成長と生産性向上のための出発点となります。さらに、確かな新製品の成長と、特許切れの影響の最小化、成長のために主要な原動力となる製品についての今後のデータ取得、追加適応承認取得の可能性や製造施設における生産性の向上を考慮すると、これからの10年間は、リリーと、患者さんや顧客の方々にとって、エキサイティングな10年になります。

業績の報告

弊社の33,000人以上の社員の努力により、リリーの2019年の収益は、販売数量の伸びに牽引されて、4%増の223億ドルになりました。

昨年は、糖尿病、がん、自己免疫疾患、疼痛、神経変性疾患という弊社の重点治療研究領域の一つひとつにおいてリーダーとなることを目指し、大きく前進することができました。また、過去に類をみないスピードで新薬を上市し続け、製造における生産性を向上させました。弊社は、研究開発への投資を増大化させながらも、2020年末までに非GAAP営業利益率を31%にするという目標に向かって順調に進んでいます。

2019年、リリーは、事業開発、設備投資、研究開発における税引き後投資を合わせて将来の成長を牽引するために、130億ドルを超える投資を行いました。弊社は、配当金と自社株買いにより約70億ドルを株主に還元し、2年連続で15%の増配を発表しました。また、弊社の過去5年間の株主総利回りの年換算での平均値は、S&Pベンチマークの11.7%に対して、平均16.7%でした。

持続的な進歩

弊社は創業当初から、世界中の医療システムにおけるパートナーと積極的に関わり、弊社の医薬品を必要とする人々がその医薬品を確実に手にできるように尽力してきました。そのためのひとつの方法として、評価に基づく契約を採用しています。つまり、弊社の医薬品の価格は、どれだけの患者さんに貢献できたかによって決まるという契約です。米国では、アクセスに基づく契約を通して得られる収益の20%が、評価に基づく契約によるものであり、弊社は、米国以外の世界市場において300を超える代替アクセス契約を締結しており、その多くが評価に基づくものです。


ヨーロッパと日本においては、弊社は政府と連携して、適正使用と公正価格を支援するために弊社医薬品の評価に関するエビデンスを収集しています。2017年以降、主要なヨーロッパの市場において、償還までの月数を50%以上短縮することによって、医薬品の入手可能性を加速させています。発展途上国では、入手可能な価格で医薬品を手にできる方法によって弊社の大半の重要な医薬品を提供しながら、既存の医療システムを積極的に強化しています。


将来を見据えて

2020年は、リリーにとって、新たなエキサイティングな1年になりつつあります。弊社の収益は、一桁台後半の高い成長率を達成するものと見込んでいます。これは5か年目標を超えるもので、また、その売上の半分以上がより新しい製品の販売数量の伸びによって牽引されています。弊社は、イノベーションに基づく戦略への投資を継続しつつ、さらなる利益率の拡大を果たす所存です。

医薬品は人々の人生を変える可能性があることを考慮しますと、医薬品へのアクセス拡大を実現する打開策は、革新的治療につながる打開策とまさに同じくらい重要であると考えています。弊社の医薬品を必要とする人々が確実に、弊社の医薬品を入手でき、しかも入手可能な価格で手にできるようにすることを、スピード感を持って実現していかなければならないと思っています。


次の10年に向けて、弊社は、世界で最も重篤な疾患のいくつかにおいてケアと医薬品入手可能性についての新しい基準を創出し、バイオ医薬品における可能性の限界を押し広げ、さらには、患者さん、その他の医療業界の顧客の方々や株主の皆さま、社員、そしてコミュニティに対して、他に類をみない価値を提供するための素晴らしい好機を見いだしていきます。


皆さまの継続的なご関心とご支援に心より感謝申し上げます。

デイビッド・A・リックス

会長兼CEO(最高経営責任者)