共に乾癬と向き合い歩む、患者さんと先生の物語

【Vol.2】 寄り添ってくれる味方はいる。あきらめていた私にどうせなら楽しく通院しよう、と先生は背中を押してくれた。

「どうせ治らないのなら何をやっても仕方がない」と治療も通院も積極的になれなかった角田さん。分かり合える仲間や、良くしたいと言ってくれる先生との出会いで、自分の病気を受け止められた。自らコミュニケーションをとるようになったら、病院に行くことが楽しみに。その前向きに変化していくストーリーを紹介する。

PsDAC PR a2-3

乾癬という病気も、乾癬になった自分も受け入れられなかった10年

 最初は足や腕に皮疹ができ、どんどん広がっていったという角田さん。いくつもの病院を受診したものの改善せず、「尋常性乾癬」と診断されたのは約1年後。「乾癬という病気を全く知らなかったし、診断後も正しく知ろうとしなかった」と角田さんは話す。

「一応、受診して薬はもらっていましたが、先生の指示通りには使っていなかったので改善しなかったですし、もともと病院ぎらい。先生に『どう?』と聞かれても、「変わりないです」と答え、どうせ治らないのだから何を言っても仕方ないとあきらめていました」(角田さん)

PsDAC PR a2-4

 日野皮フ科医院の日野亮介先生は、「病気になりたくてなる人はいない」と話す。受診や治療は患者さんの大きな負担になっており、だからこそ受診した患者さんには「希望を持ち帰ってもらいたい」と考え診療にあたっている。

 「乾癬は慢性疾患ですが、何をしても改善しないわけではありません。今では多くの治療法があり、症状をよくすることも可能なことを、まず患者さんに知っていただきたいと考えています」(日野先生)

患者会と日野先生との出会いで人生が180度変わることに!

 あるとき、通っていた皮膚科の医師に「乾癬の勉強会があるから、よかったら行ってごらん」と言われ、しぶしぶ参加した角田さん。それが患者会との出会いであり、その後の人生を変える大きな転機となった。

 その勉強会で、角田さんは診断後10年にして初めて乾癬という病気を正しく理解する。乾癬という病気を知り、治療法が多くあることに「衝撃を受けた」という角田さんは、それから患者会の勉強会や活動にも参加するようになった。その後、夫の仕事により福岡県に転居し、そこでも患者会に参加。その活動を通して日野先生と出会った。「日野先生は私が思っている以上に、私の乾癬を良い状態にしたい、そのために真剣に考えてくださっていることが伝わってきた」と角田さんは振り返る。

 一方、日野先生は患者会について「私の医師としての考えを変えてくれた存在」と話す。「患者会に参加して初めて、自分が患者さんの悩みをわかっていなかったことに気づきました。多くの患者さんは病院が嫌いかもしれませんが、一方で医師の話は欲しいと思っている。それだけ患者さんに求められていることに気づき、その思いに応えたいと思ったのです。そのためにも乾癬や治療について正しく知っていただくことが大切と考えました」

PsDAC PR a2-5

 患者会は、乾癬や治療の正しい知識を得られる場。そして、患者さん同士が話し合い、思いを共有できる場だと、日野先生も角田さんも考えている。
 「正しい情報は、インターネットなどでもきちんと調べれば得ることができます。でも、その知識を納得して自分の中に落とし込むためには、患者さん同士で話すこと、共感することが必要だと思うのです。それができるのが患者会です。周囲に理解されず傷つき、隠し続けてきた症状を、患者さん同士なら見せ合うことができる。それは、つらい経験を笑い話に昇華できるほど、お互いに深く共感できるということ。その共感でつながることができたとき、患者さんは独りぼっちではなくなる。そして、乾癬や治療に対して前向きになれるのだと思います」(日野先生)

 角田さん自身がそうだった。ずっと周りの反応がこわくて病気のことを話せず、病気になった自分を責め、全ての悪いことを病気のせいにした。しかし、患者会で自分の体験を話し、思いを共有できたことで初めて安心できた。やっと自分の居場所が見つかった気がして、「こんな自分でも、いていいんだ」と思えた。だからこそ乾癬という病気も、乾癬である自分も受け入れることができたと思っている。

 「それに、治療をしながらイキイキと仕事や子育てをしている人、自分の夢に向かってがんばっている人など、患者会でさまざまな人の姿を見ることで、ちゃんと治療をしようという気持ちになれたことも自分にとっては大きな変化でした。また、どうなりたいかを先生に伝えたら、よい方向に向かうことがわかったのも自分にとって大きなことでした。そして、信頼できる先生と一緒なら、治療にも前向きに取り組めると思えました」(角田さん)

医師に自分の思いを伝えることで、病院に行くことが楽しみに

 その後、群馬県に戻り、再び転院した角田さん。新たな主治医とのコミュニケーションに対する意識も大きく変わっていた。「福岡で日野先生と出会ってから、自分から乾癬や皮膚の状態、自分の気持ちを正直に伝えてみようと思うようになりました。乾癬は一生つきあっていく病気なので、皮膚科にも長く通い続けることになる。どうせ行くなら楽しいほうがいいと思うようになったのです。以前は嫌いだった病院に行くのが楽しいと思えるようになったのは、日野先生や患者会のおかげですね」(角田さん)

 「治療をするのは患者さんですので、患者さんが考え、自らの意志で『治療をする』と決めて臨むことが大切だと思います。ただ、乾癬を治したいという気持ちは、患者さんも医師も同じ。医師はそのための方法をたくさん知っていて、その知識と技術を患者さんのために惜しみなく使いたくて仕方がないのです。ですから、『治りたい』という気持ちをどんどん伝えていただきたいと思います」(日野先生)

コミュニケーションのヒント

PsDAC PR a2-6

PsDAC PR a2-7

患者さんと先生の物語 一覧

Vol01サムネイル

【Vol.1】 ひとりじゃない。自分に正直になって思いきって踏み出したら、新しい世界が開けた。

詳細を見る

Vol02サムネイル

【Vol.2】寄り添ってくれる味方はいる。あきらめていた私にどうせなら楽しく通院しよう、と先生は背中を押してくれた。

詳細を見る

Vol03サムネイル

【Vol.3】まずは病気を受け入れて進もう。自分も情報を持って動けば、道を開いてくれる先生や仲間にきっと出会える。

詳細を見る

Vol04サムネイル

【Vol.4】ひとり一人に個性があるように、乾癬との付き合い方もそれぞれでいい。自分がどうしたいかを伝え、「私らしい乾癬との付き合い方」を見つけられたら、きっと、日々の生活はもっと充実する。

詳細を見る

Vol05サムネイル

【Vol.5】 自分を気遣ってくれる人がいた。その思いに支えられて、先生と治療の一歩を踏み出した。

詳細を見る

Vol06サムネイル

【Vol.6】 状況に応じて柔軟に付き合っていこう。信頼できる先生や仲間と、乾癬を温かく見守る社会を目指して。

詳細を見る