共に乾癬と向き合い歩む、患者さんと先生の物語

【Vol.3】 まずは病気を受け入れて進もう。自分も情報を持って動けば、道を開いてくれる先生や仲間にきっと出会える。

患者会で乾癬に苦しむ患者さんをサポートする立場である木戸さん。そこに至るまでには治療をあきらめ、寝たきりの生活を送るどん底の日々もあった。病気を受け入れ、再び治療への一歩を踏み出すことが、病気だけではなく人生をも変えた。その「きっかけ」と変化のストーリーを紹介する。

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症状が悪化し、不安と絶望で情報も人との交流もシャットダウンした日々

 おなかに発疹がみられ、木戸さんが近所の皮膚科を受診したのは高校生のとき。「脂漏性皮膚炎」といわれ、塗り薬を処方されたものの改善せず、皮膚科を転々とした。不安が募るなか、1年後に大学病院で「尋常性乾癬」と診断をされる。乾癬という病気はまったく知らず、医師の「長いつきあいになる」という言葉がショックだったという。

 「ニキビみたいなもので、すぐ治るだろうと思っていたんです。当時は、病気のことを知ることより、とにかく早く治したくて必死に薬をぬっていました」(木戸さん)

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 埼玉医科大学病院で乾癬治療に取り組む常深祐一郎先生は、診断時の伝え方についてこう話す。「診断のときに『治らない病気です』と言ってしまうと、患者さんは治療への希望を失ってしまいます。乾癬は慢性疾患ですが、適切に治療することで、よくなる病気です。治療をきちんと続けていただくためにも油断はしないように、でも、あきらめもしないようにバランスを考えて伝えることが大切だと考えています」

 診断後、木戸さんの症状は悪化する。好きな洋服を着ることや美容院に行くこと、アルバイト、おしゃれなどできないことが増えた。友人に隠すことや、医師の何気ない言葉に傷つくことなども重なり、「心が疲れていった」という。その後、乾癬性関節炎も発症し、手指の痛みから関節の変形、足の痛みへと症状が進行。仕事もできず、絶望感と病院への不信感から治療もやめてしまう。友人との交流もシャットダウンし、自宅に引きこもる日々が2年も続いた。

乾癬を取り巻く環境の変化を知り、 もう一度治療を受けようと決意

 木戸さんが再び治療と向き合うきっかけとなったのは、知人から届いた新聞記事だった。乾癬治療の進歩について書かれたその記事を読み、自宅に引きこもっている間も時間は流れており「浦島太郎状態になってしまった」と感じた木戸さんは、「人生80年といわれる時代に、このままではもったいない。もう一度病院に行ってみよう」と思ったという。

 常深先生は、「乾癬の治療の進化を患者さんに知っていただきたい」と話す。「昔は有用な治療法が少なかったため、今も『治療をしてもよくならないだろう』とあきらめている患者さんもいると思われます。しかし近年、乾癬の治療は大きく進歩し、治療の選択肢も増えています。ぜひ、ご自身に合う治療法を医師と相談していただきたいと思います」(常深先生)

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 新聞記事を参考に、近くの大学病院を受診した木戸さん。不信感をあらわにする自分を自然に受け入れ、笑顔で話してくれる医師の姿に「これまでとは違う」と感じたという。関節の症状が進んでいたため、同じ病院のリウマチ科の医師も紹介してもらい、その日のうちに受診することができた。治療について、この治療をすればどういう効果が期待できるのかを具体的に説明してもらえたことで納得でき、「この先生を信じてもう一度治療してみよう」と思えた。

 「今まで言えなかった自分の気持ちを、その先生には言うことができたのです。先生からも、『どこがつらい?』『まず何から治したい?』と聞いてくれたので、希望を伝えて、ひとつずつ治療していくという感じでした」(木戸さん)

 常深先生のもとにも、なかなか症状が改善せず、治療をあきらめかけた患者さんが訪れる。そのような患者さんに対し、常深先生は「とりあえず治療しましょう」とは言わない。それでは、せっかく受診した患者さんが「これまでの治療と変わらない」と思ってしまうからだ。
治療の考え方から話をし、「こういう治療をしましょう。すると、こうなることが予測できます」と伝え、これまでとは違う結果が待っていると患者さんが思えることで、治療へのモチベーションにつながるという。

 「実際に治療をして症状がよくなると、患者さんは『やればできる』と自信が持て、それが次の治療ステップにつながります。さらに、症状が改善すれば生活も変わり、患者さんはより積極的に治療に取り組めるようになります」(常深先生)

正しい情報を得ることが、新しい世界を拓くきっかけに

 木戸さんは、皮膚科とリウマチ科、二人の主治医と治療を続け、症状が改善。体調がよくなると気持ちも明るくなり、友人から教えてもらった患者会に参加するようになる。
「患者会でいろいろな先生の話を聞いたり、同じ病気の仲間と話したりするなかで、病気や治療の正しい知識を得ること、病気と向き合うことの大切さを実感しました」(木戸さん)

 常深先生は、病気と向き合う患者さんの思いと、治療の意義についてこう話す。
「患者さんは、自らのつらい経験を診察室で医師に話すことはあまりありません。ただ、治療によって症状が改善した後に、『20年ぶりに半袖の服を買いました』『30年ぶりにプールを楽しめました』と話してくださることがあります。その言葉に患者さんのそれまでのつらい経験と、できるようになった喜びを感じ、これが乾癬治療の意義なのだろうと感じます。乾癬治療の最終目標は皮疹を消すことではなく、その一歩先の、患者さんの生活をよりよいものにすることだと考えています」

 今、木戸さんは患者会の副理事長として、患者さんをサポートする活動に携わっている。正しい知識を得て、信頼できる医師とともに治療に取り組めばよくなることを知った自分だからこそ、「治療の選択肢は広がった。早く行動することで、悩んでいる時間が少なくなる」と伝えることができると考えている。

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