社員インタビュー「配慮」という形で仕事を外されることがない環境で、障害を意識することなく仕事ができる。

研究開発本部/身体障がい(聴覚)八木 絵美

リリーへの入社を決めたのは、採用前、配属先部署のマネジャーとの最終面接の時でした。面接は私自身の経験やスキルなどを確認するいわゆる“普通の面接”だったのですが、両耳が全く聞こえない重度の聴覚障害を持つ私にとって、採用面接ではいつも障害のことやできないことばかりを尋ねられるのが常だったので、この“普通の面接”は大きな衝撃でした。後の上司となるこの時の面接官が、私を障害者としてではなく、一戦力として、採用するかしないかを検討してくれていることに深く感動し、どうしてもここで働きたいと思いました。

でも、後に上司にその話をしたら「なんで?」とぽかんとしていました。当たり前のことなのですね。障害とか性別といった属性ではなく、その人自身を見るのは。実際、リリーには非常にダイバーシティ&インクルージョンを尊重していこうとする文化があります。外資系の特徴でもあるかもしれませんが、社員である前に一人の人として、その人のルーツや個性、プライベートを尊重し、それが結果的に仕事にも活かされるという考え方があるように思います。

私自身、今の職場で、聴覚障害があることに対して周囲から特に「配慮」をしてもらっているという感覚はありません。日常的に会議が多い部署ですので、会議には音声認識を利用して参加しています。会議の規模や内容によっては、手話通訳やPCテイクを利用することもあります。そもそも、所属部門自体がかなりダイバーシティに富んだ人の集まりで、メンバーは半数が神戸と東京に分かれており、また外勤者や在宅勤務などでオフィスにいない人も多いので、日常的に出席者に合わせてビデオ会議や電話会議といったツールを使って会議することに慣れています。聞こえない社員が利用する音声認識も、それらのツールの一つとして自然に利用されていると感じています。

仕事の割り振りについても同様です。最初から、障害者にもできる仕事というのを選んで与えられるのではなく、まず「八木にどの仕事をさせるか」が先にきて、それから「じゃあ八木は聞こえないけど、どうすればできる?」を必要に応じて一緒に考えてくれています。入社当初には、むしろ私のほうが無理だと自分で思い込んでいたことを、上司がさらっと「やってみたら?」とやらせてくれたこともあり、私自身が勝手にできないと決めつけていたことが多かったことに気づかされました。実際に、他部門や他社との協働、会議のファシリテーションなど、以前は聞こえないから無理だと思っていたさまざまな業務もこなすことができています。

現在は、より患者さんを中心とした臨床開発のために、新しいテクノロジーを取り入れたり、業務を効率化したりといった取り組みを行っています。さまざまなバックグラウンドを持つ患者さんの視点に立って考えるには、私達の側も様々な視点を持っていることが必要です。私はリリーに入るまで製薬業界での経験はありませんでしたが、過去の医療機関での勤務経験と「一般人の視点」を持っていること、さらには聴覚障害という私自身のバックグラウンドがあるからこそ、製薬のプロフェッショナルとはまた異なる視点を活かして臨床開発に関わることができています。

前職とは仕事の進め方やスピード感もまったく異なり、また外資系ならではの英語力など、挑戦と感じることも多々あります。それでも、「配慮」という形で仕事を外されることがない環境で、障害を意識することなく仕事ができることは、私にとっては何より嬉しく、自身の働きがいにもつながっていると感じます。

職場環境についていえば、必要なことを自ら提案して、変えていくことができる環境があります。誰かに与えられるのを待つのではなく、自分から行動を起こすことが求められるとも言えますが、それぞれの多様性が尊重されているという確信があるので、安心して声を上げることができています。そういう意味では、やりたいことができる環境がある職場だと思います。

戻る

Top